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刀鍛冶の天敵 猛暑

執筆者の写真: 刀工 祐崇刀工 祐崇

朝から気温もぐんぐん上昇し、湿度の高さも加味して、非常に熱い。

まだ涼しい午前中に鍛錬を行う。

梅雨の間かなり雨が地中に溜まり、ホドの周辺もじっとり湿っている。

2kgの山陰と京都のミックスした鉧をてこ棒に付け鍛接して行くにも、ホドが湿っている加減か

最適な温度になかなか上がらず、表面だけが燃える。

こんな時鍛錬を続行しても鉧の中の不純物は完全に抜けないで膨れ、キズの原因になるので、

3回折り返し段階で室温40度を超え、ちょうど昼になったので中止とする。

少しの環境の変化でも作業には大きな影響が出る。ここが教科書がない伝統文化の修練に繋がる所以であろう。

午後は以前作っていた菜切り包丁の整形を行う。


 
 
 

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