鍛練すると自家製鋼の鉧の場合、介在物が多いためホドの底にノロとともに鉄の交じった介在物がたまります。この中にも貴重な鉄分があるので、昔から鍛冶屋はその鉄分だけを抽出するために卸し金という方法で行います。昨今は日刀保の玉鋼を使用する刀鍛冶が多いので卸し金をする刀鍛冶も少ないように思います。今回は1回3kgのホドの底に溜まった鉄分を3回に分けて卸し金をしました。炭と鉄分を交互にホドに入れ温度を掛け、さらに鉄分と介在物を分離させ、鉄分だけを取り出します。今回1回の卸し金で約1.2kgの鉄分が3回分取れました。これを合わせて鍛錬をしてより介在物を絞り出し使用する鋼の成分に近づけて行きます。2回鍛えて1.8kgの鋼になりました。


