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長船

執筆者の写真: 刀工 祐崇刀工 祐崇

久しぶりに長船の親方を訪問する。 相変わらず包丁の注文、刀の注文が多く、休む暇もなく働いている。 私も少し経験あるのだが、まず鍛錬所を持つと色々雑用が多くほぼ1人でこなしていかなくてはならない。そこに弟子が加わると、その人の人生も預かることになるので、その育成にお金と時間を費やさなければならない。刀の世界は徒弟制度で成り立っているが、まだ我々の親方は、柔軟に対応していると思うが、やはり時代の進行の方が早く、親方と弟子の間に考えの相違、向き合う物の相違が広がっているように思う。

作業的には自分のホドでは小さくて、大きい鉧を赤めることが出来ないので、長船のホドを借りて赤め、2kgずつの塊に切断、成形を行う。それだけで2時間もかかってしまった。


 
 
 

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