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包丁の火造り

執筆者の写真: 刀工 祐崇刀工 祐崇

朝方はだいぶ涼しくなってきたので、前回素延べまでした包丁とナイフの火造りを行う。

前回鍛えた時に、ガムのように柔らかい部分があったが、火造りを進めてゆくと

地鉄の鍛接面が質が違いすぎるためか、ヒビ状のクラックが走っている。

そのままでは商品にならない為、クラック部分にホウ酸をかけ、

低い目の温度で沸かす。

沸かしすぎると材料が溶けて

没になるし、低すぎるとクラックが塞がらない。

微妙な温度調整をしながら3回ほど沸かせば、やっとクラックが消える。

本来は包丁3本では炭1俵あれば十分だが、沸かしで時間がかかったので、1.5俵を消費する。

商品出来なく没にするより、全然良い。


 
 
 

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