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補修

執筆者の写真: 刀工 祐崇刀工 祐崇

注文の長柳刃に傷が出たので、再度作り直すことにする。前回たたら製鉄で砂鉄の配合か、成分なのか判らないが、黒皮が残りそれが取っても取っても表面に出てしまい、途中であきらめた。 今回は別の砂鉄で作った鉧なので大丈夫だと思うが、初めに温度を高めて極力不純物を出しておくのが肝心 7kgの鉧を鏨で2.5kgずつに切断するが、最初の一を切断した時点で、切鏨が半分ほどで折れてしまい、残りを切断出来ず。鏨の補修が必要。

気を取り直して、最初の2.5kgを沸かし、絞めてゆくが、ノロの含有が多く炉底に柔らかい状態でたまる。これが羽口内部にも流入し、羽口が塞がり送風機からの風が出ないため温度が上がらない。突き棒で取り除くが完全に取り除けないので直ぐに詰まる。 数度繰り返していると、羽口の周囲が剥離し壊れてしまったので、鉧をテコ棒に鍛接した段階で、作業の中止。これまた、次回補修が必要。



 
 
 

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