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炭の状態とたたら製鉄

執筆者の写真: 刀工 祐崇刀工 祐崇

前回かなりの時間がかかり、大半が生焼けではないかと心配だった、炭焼きの状態を見る。

恐る恐る窯の上部蓋をチェーンブロックで持ち上げ、中身を見る。

状態は、至っていつもと変わらず。問題は窯の一番奥部分が、いつも熱が回らず数本生焼けが残ってしまうので、出してみないとわからない。

今日は前回失敗した、たたら製鉄をリベンジする為余熱をかけている間に、炭窯の炭を出炭する。結果、1本の生焼けもなく良い状態である。いつも良くも悪くも期待通りにならないものである。これも自然現象だからか?

たたら製鉄においては、前回下釜が水平になっていなかったのと、真砂土を塗り込んだのが原因と考えられるので、そこを修正し、8時に砂鉄投入開始。20kgの砂鉄投入、2時30分炉解体。ノロ出しも両サイドの排出口から交互におこなう。それでも下部はノロが堆積し、下釜からなかなか鉧が取り出せない。苦労して取り出し、すぐさま機械ハンマーで2kg台に切断。切れ口をみるとよく締り、かつ柔らかそうな鉄である。

先週は炭焼き、たたら製鉄とも苦労させられたが、何とか調子を取り戻せそうである。

何事も基本に忠実かつ向学の必要があると実感させられました。


 
 
 

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