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たたら装置始動

執筆者の写真: 刀工 祐崇刀工 祐崇

たたら装置も補修できたので、今年初めのたたら製鉄を行う。山陰地方の単一砂鉄25kgを用意。朝8時に予熱開始。今日は雪が降っており、かなり気温が下がっているのでいつもより多く予熱をかけ、9時30分に砂鉄を投入。

たたら製鉄 祐崇 刀鍛冶

30分を経過した段階で温度をさらに上げる為、松炭を1俵分投入する。

前回、前々回ともノロの出が悪く、下窯にケラが生成されず、羽口で海面鉄状態になっていたので、今回は下窯の深さを調整するとともに、ノロ抜き穴を2cmほど上部に作った。

11時1回目のノロ抜き。出ない。30分後2回目、出ない。3回目ほんの少し出る。4回目今度は餅みたいに粘り気があるノロで掻き出さなければ出てこず、反対にまさに餅の様にノロ穴の所で膨れ上がる。やはり温度が低いと思い、さらに松炭を1俵投入。

6回目でノロを掻き出していると、やっとサラサラしたノロが少し出る。

刀鍛冶祐崇のたたら製鉄 ノロ出し

ちょっと心配だったが、早い目に終了し、下窯を解体する。

ケラはいつもの様に羽口の所に引っ掛からず、下窯の中に出来ていた。ただ真ん中のケラ生成が薄かったせいか、2つ口に分離する。それでも周りのノロを掃除した後で6kgの鉧。

やれやれ、何とか歩留まり20%を超える。

刀鍛冶祐崇 たたら製鉄 鉧

もう少し工夫が必要である。


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