top of page

玉鋼(自家製鉧)切断

執筆者の写真: 刀工 祐崇刀工 祐崇

世間一般の刀匠は、玉鋼を水へしして、積み沸かしたものを鍛錬してゆくが、当方ではテコ棒には大体2~2.5kgに切り分けた鉧をそのまま鍛接してゆく。


そのために、自家製鋼で出来た鉧は8kgほどになるので、3~4分割する必要がある。

これが、結構手間と時間がかかる。


鉧の直径は30cm程だが、ホドの幅は24cm。

自ずと横には入らないので縦に入れて赤める。しかし下部は徐々に赤まってくるが、上部は火が当たらないので黒いまま。上下ひっくり返すが今度は反対だけが赤まる。


こんなことをかれこれ4~5回繰り返しやっと機械ハンマーで少し平べったくするのだが、1人でするので、火箸で鉧を動かすのがなかなか思うように動いてくれない。


平べったくなれば切鏨で切れ目を入れる。のんびりしていると、温度が冷め切れるものも切れなくなるので、一気さが必要である。

鉧と格闘すること、1時間。


気温25度越えの中だったので、3つに切断し、1つをテコ棒に付け2回折り返してお昼なのでここで終了。

昼からは炭窯の補修と炭出しと薪入れで1日もくたくた。

体が慣れていない暑さのせいか。

 
 
 

最新記事

すべて表示

再焼き入れ

以前注文いただき、製作した刺身包丁が砥いでも切れないとの事で連絡があり、再度焼き入れをする。原因は色々あるが、焼き入れ後の焼きなましの温度が高くなり過ぎ、焼きが戻ってしまったか、一番考えられるのは、砂鉄からたたら製鉄で玉鋼を造っているが、どうしても場所ごとに炭素量のバラツキ...

Comments


bottom of page